本文へスキップ



電話でのお問い合わせはTEL.088-668-3139

〒770-8074 徳島県徳島市八万町下福万91-5

「夏休みキッズのための医療ボランティア活動」









「創作ギャラリー“福じゅ市”作品展」開催の趣旨

  当法人がボランティア活動の一環として、リハビリテーション大神子病院の協力のもとで、入院中の患者さんたちとの交流を始めて、今年で10年目の秋を迎えました。当初はコーヒータイムの時間にお話相手をさせていただくレベルの働きかけにすぎませんでしたが、その後、病院の中にも“暮らしの風”をお届けしたいとの願いをこめて、俳句作り、フラワーアレンジメント、ぬり絵の作製、歌の斉唱といった文化活動を取り入れ、季節の移り変わりや時の流れの中で生活のにおいを実感していただけるような活動に取り組むようになりました。 

 患者さんたちの中には、長期に渡って入院生活を余儀なくされる方もあります。今もって忘れることのできない想い出は、第1回目の開催日の折、職員の方が押す車椅子に乗って手を振りながら、「この日が来るのを楽しみにしとったよ」と笑顔で、ボランティアスタッフとハイタッチしながら入って来たある患者さんのことでした。このようにして始まった患者さんたちとのお付き合いでしたが、何年間かのかかわりを続ける内に、「ここへ来ると10才若返るよ」と言って下さったり、いつの間にか家族同然に親しくなり、久し振りに参加したというボランティアスタッフには、「あんた、えっと顔を見なんだな。どないしよったんで?」とおなじみさんになったおしるしに、そんな言葉をかけて喜ばせて下さったりしたこともありました。そういえば何年か前の作品展に参加した患者さんが、「今日は久し振りに外出できて本当に嬉しい。それに自分が作った作品をこんなに大きく飾って貰って何より有り難い」と言いながら、作品を見つめていた笑顔も忘れられません。このようなエピソードからも、どの患者さんたちも当ギャラリー展の開催を、心から楽しみに待っていることを感じることができます。

 ギャラリー開催準備を始める時期になると、毎年のことながら一年一年の時の流れが、そのまま患者さんたちとの一期一会の出会いとなり、そして患者さんたちが一作一作の作品にこめた想いは、毎回同じような制作の取り組みを続けていながらも、決して同じでものではないことを感じさせられます。しかも今年は例年以上により意義深いギャラリー展にしなければとの想いをこめて、夏休みの期間中に取り組んだ子供たちのパワー全開の機会を設定した特別展も企画しています。子供たちにとっては、夏休み期間中における貴重な想い出作りにつながるならばと、子供連れでのボランティア参加を呼びかけましたが、その結果がどうだったのかという報告も含めて展示する予定にしています。

 本展は患者さんたちの一年間の集大成となる数々の作品はもとより、前述しました通り、子供連れ医療ボランティアの中から生まれた、患者さんたちと子供ボランティアとの心温まる交流の場面を撮った写真や、子供たちの作品(俳句、ぬり絵、フラワーアレンジメント)も一緒に展示しますので、この機会を通して是非、ボランティア活動の素晴らしさや意義の尊さを感じ取っていただければ幸いです。

  私たちが取り組んでいる医療ボランティアの活動はもとより、今回のギャラリー展の開催も、リハビリテーション大神子病院側の協力なくしてはなしえないことであり、またフラワーアレンジントでお楽しみいただく患者さんたちのためだったらと、様々な花材を無償で提供して下さる生花店や花の生産者等、実に多くの方々ご理解ご支援があっての活動であることを、感謝の念をこめて銘記しておきます。